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映画レビュー フィリピン版24時間テレビ風の感動映画「ヴァン・ダム・スタローンが映画俳優になるまで」

フィリピン版24時間テレビ風の感動映画

先月末にちょっと変わった映画を見てきました。「Star na si Van Damme Stallone / スター ナ シ ヴァン ダム スタローン」というフィリピン映画です。

https://www.youtube.com/watch?v=3zgSIBrAXaQ


8月中旬には映画館でフィリピンフィルムフェスティバルが行われており、多くのフィリピン映画が公開されていました。(フィルムフェスティバルの期間外では、欧米の映画しかやっていないことも多いです。)

この映画の何が変わっているかというと、「ダウン症を扱った妙にリアルな家族愛」がテーマなんです。日本で公開されないと思うのでネタバレを含みますが、一言で表現するなら「フィリピン版24時間テレビ風の感動映画」でしょう。24時間テレビとともに流れる障害をテーマにした特別ドラマに、フィリピン的な要素を混ぜた感じです。(フィリピンに24時間テレビはありません。)

「映画スターを夢見るダウン症の男の子とそれを支える家族の日常」を描くストーリーとなっており、英語字幕で鑑賞しました。

感動の押し売りなどもなく、純粋に感動できる映画だったと思います。ダウン症を持っている家族や友人がいる方はもちろんのこと、ダウン症とは無関係の人にもおすすめできる映画です。

良かった点を中心にまとめていきたいと思います。


ダウン症を持った方が演じるダウン症の役

個人的に一番衝撃的だったのは、やはり「実際にダウン症の方がダウン症の主人公の役を演じていること」です。主人公を演じられたパオロ・ピンコルさん(24)は、かつてマクドナルドのCMにも出演されていてフィリピンではそこそこ認知度のある方です(少なくともCMを覚えている人は多いと思います)。さらにパオロさん自身の夢も映画俳優になることのようで、今回が初の映画出演だそうです。

https://www.youtube.com/watch?v=6M6nSUVqo4c

「障害を扱った映画で、実際に障害をもっている人が役を演じること」は珍しいのではないでしょうか。(そもそもCM出演も珍しいことだと思います。)日本の映画でもいくつか例があるようですが、一般的にはあまり知られていないでしょう。障害をテーマにしたもので記憶に残っているのは、

ドラマでは山Pが障害をもった主人公の役を演じていた「アルジャーノンに花束を」と

と、どちらも障害をもたない人が役を演じています。24時間テレビのドラマもそうですよね。日本ではなかなかない設定だったので、思わず驚いてしまいました。 


妙にリアルなストーリー

 この映画では「ダウン症の子供をもつ母親の葛藤」や「ダウン症の弟をもつ兄の葛藤」も描かれています。

一度息子に手をかけてしまおうとした母親
理解してくれる/してくれない近所の人
母親にかまってもらえずに反抗する兄
「金魚みたいで可愛い!」と言ってしまう小学生の女の子
好きな女の子が弟に優しいために急に優しくなる兄

など、実際にダウン症の方と関わったことはありませんが、家族や周りはこのような経験をされているのかなと思ってしまうほどのリアルさでした。

さらにはおきまりのフィリピンテイスト「シングルマザー、父親違いの兄弟、出来ちゃった婚」といった要素もばっちり組み込まれています。それでも強い家族愛。

この映画のように「母親はシングルマザー、父親違いの兄弟、弟はダウン症、兄は幼少期に母親にあまり構ってもらえなかった」というシチュエーションが実際にあったとしても、そこには変わらぬフィリピン流の家族愛があるのではないかと思いました。

前にフィリピン人の家族愛についてやや批判的な記事を書きましたが、このような映画を見ると家族愛にも色々なあり方があると考えさせらます。

 

 http://konotaka.hatenablog.com/entry/philippines-family-bond