この高さから考える

フィリピン・ダバオからお届けするミニマリスト生活

フィリピン人の家族愛 自己犠牲の上に成り立つ金と命

家族愛


フィリピンのことを検索すると「家族愛」について書いている人が多いような気がします。短期留学の経験をインターネットでシェアする人が増えてきたせいでしょうか。

特にフィリピン人の家族愛は深い、日本人より遥かに家族の絆が強い、というような表現が多い気がする。なかには「日本人は家族の絆が弱すぎる!フィリピン人に学べ!」と思う人もいるのではないでしょうか。(この場合はおそらくフィリピン人ではなく、セブ島の英語学校の先生)

僕もダバオに来た当初は「フィリピン人の家族愛って素敵だなー」と思っていました。しかしフィリピンに来てから1年が経ち、フィリピンの家族愛に違和感を覚えるようになりました。

フィリピン人の家族愛を表現するのに、今の所しっくりきている言葉が「自己犠牲の上に成り立つ金と命」です。


※ あくまで個人的な意見です。フィリピンの家族愛を全否定しているわけではありません。見習う部分があるとも思っています。


たしかに家族を大切にしているのは素敵だと思うのですが、どうも自己犠牲の上に成り立っている部分が大きい気がしています。

長男長女が弟妹の学費を稼ぐ
親が海外に出稼ぎに行く
親が面倒を見ない(見れない)から祖父母が子供の世話をする

日本人からしてみると理解しづらいこともあるのではないでしょうか。

自己犠牲の上に成り立つと書いたように、この二つは家族愛を話す上で外せない言葉だと思っています。



やはりフィリピンは日本などに比べると決して裕福な国ではありません。日本人がセブ島に留学に行くと、「物価安くて最高!スタバでノマド!映画見放題!」となるかもしれませんが、現地人からしてみると物価は決して安いとは言えません。

フィリピン人の平均日給は700~800円という中で、スタバのフラペチーノは約350円、映画も1回約400円くらいです。外食も安くて200~300円といったところでしょうか。日本で時給1,000円で8時間労働の場合に換算してみると、フラペチーノも映画も約4,000円となりますね笑。

そんな国ですがフィリピンではスタバが大人気だったり、外食をしている学生が目に付きます。それを成り立たせているのが「家族の誰かの自己犠牲」です。

兄姉が弟妹の面倒(=学費)を見るのを当然と考える家族であれば、大学に行かずに働く兄姉がいます。実際に僕の友達には、大学卒業後医学部に進みたかったけれど、家族のために一度働いて妹の学費を払っていた子がいます。(しかも妹はまともに勉強せずに留年した。)

家族に不自由のない生活をして欲しいと願う親ならば、遠洋漁業の漁師(あまちゃんのおじいちゃんの仕事)や大規模長期工事で土方仕事、または軍に入隊などをする人もいます。日本で例えるなら国内転勤でしょうか。家族の住む町で代わりの仕事が見つかるような気もしますが、多少でも稼ぐために家族と離れて仕事をするのでしょう。日本でもこういった仕事に就く人はいると思いますが、一番の違いは「自分の意思が優先ではなく、家族の幸せを優先した結果の職業選択である」ということです。

もう一つメジャーなところだと、海外での出稼ぎもフィリピンでは多いです。OFW(Overseas Filipino Worker、海外で働くフィリピン人)という言葉が出来るほどです。日本や中国韓国で看護や介護の仕事、グレーな人もいるであろうフィリピンパブでの仕事、または香港やシンガポールなどでメイドとして働く人も多いです。(SUNDAY BEAUTY QUEENというOFWメイドについてのドキュメンタリー映画があります。オススメです。)

このような「自己犠牲」を払う人は、それを「自己犠牲」ではなく「家族愛」として捉えているはずです。自分が払ったお金で大学に行っている妹が彼氏作ってそのせいで留年したにも関わらず、友達はブチギレていませんでした。きっと家族とたまにしか会えない国内転勤組のお父さんも、家族のためと頑張っているのでしょう。映画SUNDAY BEAUTY QUEENに出てきた香港でメイドをしているシングルマザーの女性は、クリスマスにも子供に会えずさすがに辛そうに見えましたが。(夫に捨てられ子供は両親が面倒を見ている。)

一方でその「自己犠牲」を享受している側が何をしているかといえば、彼氏とノロケて留年したり、お小遣いに余裕があるためカフェで一杯200~300のコーヒーやミルクティーを飲んでいるわけです。(スタバやカフェにいる学生などを見ると、家が結構裕福なのかOFWに支えられているのかなと思ってしまいます。)

でもフィリピンなら家族愛が深いから問題なし。




お金だけでなく、命という点でも「自己犠牲」が起こっております。

特に赤ちゃんの命を支えるのは日常茶飯事のようです。昔の日本のような親子孫3世代の家はごく一般的ですので、祖父母が孫である赤ちゃんの面倒を見るというのは結構ある話です。

なぜ祖父母が面倒を見るのかというと、
1.両親共働きで家計を支えているため子供の面倒を見れない
2.シングルマザーであり母親が働いて家計をやりくりしている
3.シングルマザーであるが母親がまだ女性として人生を楽しみたい
などが理由です。

子育てをするのが祖父母だけだったらまだよいと思いますが、母親の兄弟や姉妹まで巻き込んで、多少の「自己犠牲」が発生してると言わざるおえないでしょう。(いきなり娘に、「赤ちゃんできた。育てるの手伝って」と言われたフィリピン人親はなんて反応するのでしょうか。気になります。)シングルマザーが大変多い国なので、多くは2か3だと思っています。

さらには、赤ちゃんができないように防止するといった例もあります。下宿や一人暮らしをする妹や弟のために、姉や兄が同居する(させられる)パターンです。一人だけの生活だと親の監視もありませんし、避妊をする人が少ないとされるフィリピンでは子供ができる可能性が高いです。また似たような理由で、クラブ通いやドラッグ利用を防止するための同居というのもありそうですね。

もし日本でこんなことがあったら、親子や兄妹で絶縁されても仕方がないレベルだと思います。いきなり「シングルマザーになります。子育て手伝って。」ですよ?

でもフィリピンなら家族愛が深いから問題なし。

 

 

フィリピンの家族愛は深い


姉の稼いだお金で通う大学で留年しても、それを受け入れる家族愛(しかも恋愛が原因で)。日本だったら「自分で学費払え!」とか普通に言われますよね笑。

海外という過酷な環境で働く親の努力が1杯の甘いコーヒーへと変化しても、子供の喜ぶ顔が見れるならそれでよし。それが家族愛。

いきなり赤ちゃんが増えても家族として受け入れる。それが家族愛。

子供を作らせないために兄姉を監視役にさせる。それを受け入れてこその家族愛。

偏見が多いかもしれませんが、全て身を持って感じたことです。
なかなか日本人には理解しがたいことかもしれませんが、たしかにフィリピンの家族愛は深いです。

しかしながら、どうも僕には「自己犠牲の上になりたつ金と命」という言葉が頭から離れません。


※ あくまで個人の意見です。もちろん自分で学費を払うために、働いて貯金をする人もいます。