映画レビュー「軍艦島/BATTLESHIP ISLAND」韓国人vs韓国人
軍艦島見ます pic.twitter.com/GzhEXHfYHy
— コノタカ@フィリピン (@_konotaka) 2017年9月8日
Battleship Island(軍艦島)、蟹工船みたいなお話でした。
— コノタカ@フィリピン (@_konotaka) 2017年9月8日
ちょっと話題の反日映画「BATTLESHIP ISLAND/軍艦島」を見てきました。見るつもりではなかったのですが、彼女がどうしても見たいというので一緒に鑑賞。
「第二次世界大戦中に軍艦島で韓国人と韓国人が喧嘩して脱出するフィクション映画」だったと僕は感じました。
日本で公開されることはないと思うので一応ネタバレも含みます。
ツイートにも書いたように蟹工船みたいなお話なのかな、と思ってしまいました。「強制労働」と「仲間内で対立」という要素だけで蟹工船というのは無理があるかな?
大まかなストーリーは、「炭鉱で強制労働を強いられてる韓国人が仲間内で争って、最終的には空襲に便乗して脱出する」というものです。
全体を通して何度か特徴的な暴力的なシーンがあるんだけれど、基本的に対立するのが韓国人vs韓国人。愛国心からの喧嘩とかではなくて、国に帰りたい韓国人vs仲間を売って自分だけ甘い蜜を吸いたい韓国人。
しかもその炭鉱で強制労働をさせられている理由というのも、韓国人のお偉いさんに売られたから。実際に戦時中は同胞を売ることもあったんだろうか。半ば人身売買のような形で軍艦島に送られていました。(後々確認したら日本人の警官?に売られたと彼女に言われました。詳しくは覚えておりません。)
・信じていた韓国人に騙されて強制労働
・給料は天引きされて偉い韓国人の元へ
・証拠隠滅のためにまとめて消されそうになる
どれも黒幕は日本!と描きたかったような気もしますが、かなり韓国人同士で争ってるなーという印象の方が強く付きました。
日本韓国どちらにも負の面があることを表現したかったのかもしれないが、正直このやり方はどうなんだろうと思ってしまう。
またこの映画は数多くの証拠や資料に基づくらしいのですが、ニューヨーク・タイムズスクエアの電光掲示板に映画とは無関係の写真を広告として使った件(NYタイムズスクエア「軍艦島」広報映像の人物 朝鮮人ではなく日本人だった(1) | Joongang Ilbo | 中央日報)もあり、正直どこまでが史実に基づいているのかあやしく思っても仕方ないかと。
「朝鮮人とも軍艦島とも記載のない写真を広告として使う」=「数多くの証拠や資料もそのようにして集められた可能性がある」と言っているように感じる人がいてもおかしくないでしょう。
色々と資料を引用して考察してるブログとかもあるようですが...映画で描かれたのが軍艦島の真実だとも思えないし、さすがに軍艦島が単に大金を稼げる楽園だったとも思えません。
個人的には「結局何が史実なのか分からない上で、フィクションかもしれない韓国人同士の争いが目立っている。」という感想を持ちました。
・日章旗を真っ二つに切るシーン
・日本刀で炭鉱の日本人所長を打ち取るシーン
も盛り込まれており反日要素はあるんだけれども、超反日かと言われれば全く思いませんでしたね。むしろ韓国人同士の争いが際立っていたと感じます。
そして更に残念だったのが、BATTLESHIP ISLADN(軍艦島)の名前の由来について一切触れられていない!「外観が日本の戦艦に似ているから」という理由で軍艦島と名付けられたと理解しているのですが、その記述は一切なし。前知識なしにこの映画を見たら「韓国人が強制労働をさせられていたが、日本人とバトルしてシップで帰還した島(もしくは戦艦で帰還した)」と思ってしまうのではないでしょうか。
(あまり詳しく覚えていませんが)観客を笑わせようと感じるシーンもあったり、煮え切らない恋愛要素もあったりと、前にレビューを書いたダンケルケと比べてると、フィクション要素が目立っているような気がします。(ダンケルケも十分他のものとは異なりますが笑)
ダンケルケのレビュー記事はこちらからどうぞ!
http://konotaka.hatenablog.com/entry/dunkirk
もちろん良かったと思う点もあります。
軍艦島のセットはすごい丁寧に作られていました。(事実かどうかは別にして)過酷な生活の様子もしっかりとした映像となっています。
しかし何より一番感動したのは、主演の小さい女の子の演技です。「新感染 ファイナル・エクスプレス」に出てくる子役の女の子が、軍艦島でも娘の役を演じています。
「新感染 ファイナル・エクスプレス」の感想で、
子役はホラー映画あるあるだと思いますが、結構駄々をこねていて面倒なやつだと思ってしいましたね。
映画レビュー ヒューマンゾンビコメディ映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」 - この高さから考える
と書いたのですが、今回も見事に「面倒な子ども」を演じていました。(「新感染」の記事で書き忘れていたのですが、女の子の泣きの演技も良かったです。)
そして今回もよく泣く。
面倒な子役with涙をやらせたら、彼女はかなりの演技力を発揮するのでしょう。これからの成長に期待ですね!
「新感染 ファイナル・エクスプレス」のレビュー記事はこちらからどうぞ。
http://konotaka.hatenablog.com/entry/shinkansen-final-express